当院の医科歯科連携について

医科歯科連携について

相沢歯科では、お口の中だけを診るのではなく、糖尿病や高血圧、心疾患、脳血管疾患といった全身疾患とお口の健康との関わりを考慮した歯科診療を行っています。
近年、糖尿病と歯周病の相互関係や、高齢者の口腔機能低下と全身の健康との関連が明らかになるなど、医科と歯科が連携して患者さまを支える「医科歯科連携」の重要性が高まっています。
当院では、内科・訪問診療・地域の医療機関の皆さまと情報を共有しながら、患者さまの全身状態を踏まえた安全な歯科治療を提供できるよう努めております。地域医療の一翼を担う歯科医院として、今後も医療機関の皆さまとの連携を大切にしてまいります。

なぜ今、医科歯科連携が求められているのか

超高齢社会を迎えた日本では、糖尿病・高血圧・心疾患・認知症など複数の持病を抱えながら生活される方が増えています。こうした全身疾患とお口の健康は密接に関わっており、歯周病の悪化が糖尿病の血糖コントロールに影響を与えたり、口腔機能低下症が低栄養やフレイル(心身の虚弱)の入り口になったりすることが、近年の研究で明らかになってきました。
また、誤嚥性肺炎のように、口腔内の細菌が全身の重篤な疾患を引き起こすケースも知られています。こうした背景から、歯科医院が単独で治療を完結させるのではなく、内科・訪問診療・介護施設など地域の医療・介護機関と情報を共有しながら患者さまを支える「医科歯科連携」の必要性が全国的に高まっています。
当院では、八王子エリアの地域医療の一端を担う歯科医院として、患者さまの全身状態を把握したうえでの安全な歯科治療と、医療機関の皆さまとの円滑な情報連携の両立を目指しています。

全身疾患を考慮した当院の取り組み

糖尿病と歯周病の関連について

糖尿病と歯周病は相互に影響し合う関係にあることが知られています。歯周病により歯ぐきに慢性的な炎症が起こると、インスリンの働きが妨げられ、血糖コントロールが悪化しやすくなります。反対に、歯周病治療によって炎症が改善すると、HbA1cの数値が改善する場合があることも報告されています。
当院では、糖尿病の既往がある患者さまに対しては、現在の血糖コントロール状況(HbA1c値の目安)やお薬の内容、低血糖のリスクなどを伺ったうえで、歯周病の重症化予防や継続的なメンテナンスに力を入れています。歯周基本治療だけでなく、生活習慣を踏まえたセルフケア指導も行い、糖尿病と歯周病の両面から患者さまの健康を支えます。必要に応じて、かかりつけの内科医との情報共有も行っております。

高齢者の口腔機能低下症(オーラルフレイル)への対応

加齢に伴い、噛む力の低下、飲み込みにくさ、滑舌の低下、お口の乾燥、舌の動きの低下など、お口の機能が少しずつ衰えていく状態を「口腔機能低下症」と呼びます。放置すると、食事量の減少による低栄養や、全身のフレイル(虚弱)、さらには要介護状態へとつながるおそれがあるといわれています。
当院では高齢者歯科の観点から、噛む力・舌の動き・お口の乾燥具合・飲み込みの状態など、口腔機能の評価を行い、機能の維持・回復を目指した口腔機能管理に取り組んでいます。訓練や生活指導だけでなく、義歯の調整や噛み合わせの改善など、機能面に配慮した歯科治療もあわせて行います。ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャー、施設職員の方からのご相談にも対応しております。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管や肺に入り込むことで発症する肺炎で、特に嚥下機能が低下した高齢の方にとって大きなリスクとなります。お口の中を清潔に保ち、細菌の量を減らすことは、誤嚥性肺炎の発症リスクを下げるうえで重要とされています。
当院では、歯石除去やクリーニングなどの専門的口腔ケアに加え、舌苔(ぜったい)の除去や粘膜のケア、飲み込みの状態に配慮した口腔ケア指導を行い、誤嚥性肺炎のリスク軽減に取り組んでいます。訪問診療においても、施設や在宅で療養されている患者さまのお口のケア・口腔機能管理に対応しており、看護・介護スタッフの方との情報共有も行っております。

抗血栓薬服用患者様への対応

ワーファリンやDOAC(直接経口抗凝固薬)などの抗凝固薬、あるいは抗血小板薬を服用中の患者さまは、抜歯や外科的処置の際に出血のリスクへの配慮が必要です。
当院では、服用中のお薬の内容や休薬の必要性について、自己判断での中断・変更はせず、原則として処方元の医療機関と連携しながら、安全性に配慮した治療計画を立てています。近年は休薬をせずに抜歯等を行うケースも増えていますが、患者さまの疾患や薬剤の種類によって対応が異なるため、事前の情報共有を重視しています。持病やお薬について不安がある場合は、事前にお気軽にご相談ください。

骨粗鬆症治療薬服用患者様への配慮

骨粗鬆症の治療に用いられるビスフォスフォネート製剤やデノスマブなどの骨吸収抑制薬は、抜歯などの外科的処置後に顎骨壊死(MRONJ)を引き起こすリスクがあることが知られています。
当院では、骨粗鬆症治療薬の服用歴がある患者さまに対しては、処方医療機関に休薬の要否や治療方針を確認したうえで、抜歯や外科処置の必要性を慎重に検討しています。可能な限り保存的な治療を優先し、外科的処置が必要な場合は、リスクを丁寧にご説明したうえで進めています。

認知症・要介護状態の患者様への対応

認知症や要介護状態にある患者さまは、ご自身でお口の状態を訴えることが難しい場合や、セルフケアが十分に行えない場合があります。そのため、むし歯や歯周病、口腔機能低下が進行しやすい傾向があります。
当院では、ご本人のペースに合わせた診療や、ご家族・介護施設スタッフの方との連携を通じて、無理のない範囲での治療とお口のケアを行っています。訪問診療にも対応しており、通院が難しい方のご自宅や施設への訪問による診療・口腔ケアもご相談いただけます。

全身疾患を考慮した歯科治療

高血圧、心疾患(心臓弁膜症・不整脈など)、腎疾患、呼吸器疾患など、患者さまがお持ちの全身疾患やお薬の情報は、歯科治療の安全性に大きく関わります。たとえば心臓弁膜症などをお持ちの方では、抜歯等の際に感染性心内膜炎の予防を目的とした抗菌薬の予防投与が必要になる場合があります。
当院では問診の際に既往歴・服薬状況・アレルギーの有無などを丁寧に確認し、必要に応じて主治医の先生に情報提供を依頼するなど、全身状態を考慮したうえで治療方針を検討しています。

こんなお悩み・症状はありませんか

下記のような症状やお悩みがある場合、口腔機能低下症や全身疾患との関連が考えられます。ご本人はもちろん、ご家族や医療・介護関係者の方からのご相談も承っております。

  • 以前より硬いものが噛みにくくなった
  • 食事中にむせる、飲み込みにくいと感じる
  • お口の中が乾きやすい
  • 滑舌が悪くなった、話しづらいと感じる
  • 体重が減ってきた、食事量が減った
  • 糖尿病・心疾患・腎疾患などの持病があり、歯科治療の可否に不安がある
  • 抗血栓薬・骨粗鬆症治療薬を服用しており、抜歯等の対応に不安がある
  • 施設入所中・在宅療養中で通院が難しい

医療機関との情報共有について

患者さまがより安全で質の高い医療を受けられるよう、当院では必要に応じて診療情報提供書の作成・お渡しを行っております。糖尿病や心疾患などの持病がある患者さまの歯科治療に際して、現在の全身状態やお薬の内容についてかかりつけ医にご確認いただく場合や、逆に医科の先生から口腔状態についてご照会いただく場合など、状況に応じた書面での情報共有に対応しています。
また、他の医療機関さまより患者さまについてのご照会をいただいた場合には、返書による情報共有にも対応しております。内科の先生、訪問診療を行う医療機関、ケアマネジャーや施設職員の皆さまとの情報共有を大切にし、患者さまを地域全体で支える医療連携を目指しています。

診療情報提供書を発行するケース例

  • 糖尿病等の持病がある方の抜歯・外科処置の前
  • 抗血栓薬・骨粗鬆症治療薬服用中の患者さまの処置前
  • 全身疾患の管理状況を踏まえた治療方針の確認が必要な場合
  • 訪問診療における他機関との連携が必要な場合

返書・ご照会への対応

  • 医療機関からのお口の状態に関するご照会
  • 口腔機能低下症・嚥下機能に関するご照会
  • 治療経過・今後の方針に関するご報告
  • ケアマネジャー・施設からのご相談

よくあるご質問

持病があっても歯科治療は受けられますか?

はい、多くの場合は治療可能です。糖尿病、高血圧、心疾患、腎疾患などの持病がある方でも、既往歴やお薬の内容を確認したうえで、安全に配慮しながら治療を行っています。ご不安な点は初診時にお申し付けください。

お薬手帳は持参した方がよいですか?

はい、可能な限りご持参ください。服用中のお薬(特に抗血栓薬・骨粗鬆症治療薬など)は治療方針の判断に重要な情報となります。お薬手帳がない場合でも、お薬の名前や処方元の医療機関名が分かる範囲で構いませんのでお知らせください。

かかりつけ医への確認は必ず必要ですか?

全ての方に必須というわけではありませんが、抗血栓薬や骨粗鬆症治療薬の服用、心疾患・腎疾患などの持病がある場合、外科的な処置を行う際には、必要に応じてかかりつけ医に確認や情報提供を行うことがあります。事前にご説明のうえで進めますのでご安心ください。

医療機関・施設からの相談や紹介も受け付けていますか?

はい、内科・訪問診療を行う医療機関、介護施設、ケアマネジャーの方からのご相談・ご紹介も受け付けております。診療情報提供書や返書による情報共有にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

医療機関様へ

内科・訪問診療をはじめとする地域の医療機関の皆さまへ。
患者さまの全身疾患や服薬状況に関するご相談、歯科治療における対応についてのご照会、診療情報提供書・返書に関するご依頼など、医科歯科連携に関するご相談を随時受け付けております。
口腔機能低下症や誤嚥性肺炎予防など、高齢者歯科の分野でも連携を強化しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

医科歯科連携相談窓口 相沢歯科
電話番号 042-626-4188
受付時間 9:30~13:00、14:00~17:00(木曜日・日曜日・祝日を除く)