予防歯科とは?大切な理由や定期検診との違いを解説

2024年12月28日(土)

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こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

予防歯科で歯のクリーニングを受ける様子

予防歯科は、虫歯や歯周病等の歯の病気を未然に防ぎ、歯の健康を保つことを目的としています。虫歯や歯周病の症状が出てから歯科医院を受診する方も多いでしょう。

しかし、歯科疾患は未然に防ぐことが可能です。歯科疾患を予防すれば、ご自身の歯を守れるでしょう。

本記事では、予防歯科が大切な理由と定期健診との違い、かかる費用などについて解説します。

予防歯科とは?

予防歯科で使用する器具

予防歯科は、虫歯や歯周病になるのを防ぐために、口の中を健康に保つための取り組みです。痛みや歯茎からの出血、歯茎の腫れなどの症状が現れる段階では、虫歯や歯周病は進行していると考えられます。

虫歯や歯周病が進行すると歯を残せなくなる可能性が高まるため、口腔疾患を予防することが非常に重要なのです。

具体的には、歯科医師や歯科衛生士による口内のクリーニング、歯磨き方法の指導などが含まれます。さまざまなケアを通じて歯の健康を維持し、将来的な歯のトラブルのリスクを低減します。

歯が健康であることは全身の健康にも深く関係しており、予防歯科は健康寿命を延ばすための重要な手段ともいえるのです。

予防歯科はどうして大切なの?

予防歯科はなぜ大切なのか考える女性

ここでは、予防歯科が重要な理由について解説します。

虫歯や歯周病の予防

歯周病と虫歯は歯科治療の2大疾患であり、放置すると悪化して歯を失う可能性もあります。これらを予防するためには、原因となる歯の汚れを徹底的に除去して、清潔な口内環境を保ち続ける必要があります。

特に、歯垢や歯石が時間とともに蓄積すると、虫歯や歯周病のリスクを高めるので注意が必要です。予防歯科を受診することで、虫歯や歯周病の予防が可能になります。

自分では気づいていない歯のトラブルを早期発見ができる可能性もあり、速やかに治療に繋げることができます。治療が必要な場合でも、歯への負担を最小限に抑えられるでしょう。

歯科治療にかかる時間や費用の削減

虫歯や歯周病が進行してから歯科医院を受診すると、治療にかかる費用や時間が増大します。

例えば、虫歯が悪化している状態で歯科医院を受診した場合、歯を削って虫歯を除去しなければなりません。歯の型をとって人工歯を作製することもあるでしょう。神経まで影響が及んでいる場合には、根管治療などを行う必要があります。

重度の場合は数か月の治療期間を要し、それに伴いかかる費用も増加します。予防歯科を受診すれば、金銭面や労力、口腔内の負担を最小限にすることが可能です。

全身の健康維持

虫歯や歯周病は、歯だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす場合があります。例えば、虫歯が発生すると、痛みによって咀嚼する歯が偏り、かみ合わせが変化することがあります。耳鳴りや肩こり、頭痛等の症状が現れる場合もあるでしょう。

また、虫歯菌が血流にのって全身に運ばれると、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患につながる可能性があります。予防歯科は、体の健康を守る重要な役割を果たすのです。

歯の健康への意識づけ

歯を毎日磨いている方は多いです。

しかし、正しい方法で磨けているとは限りません。予防歯科を受診すれば、自分にあった歯磨きの指導を受けることが可能です。セルフケアの質が向上すれば、口腔トラブルを効果的に予防できます。

また、口腔ケアや歯の健康への意識が高まるなどの影響も考えられます。

定期検診とは違うの?

定期検診と予防歯科の違いについて考えるイメージ

予防歯科と定期健診の違いがわからないと感じている方は多いのではないでしょうか。これらの違いは、目的です。

定期健診は、虫歯や歯周病の早期発見を目的としています。歯や歯茎の検査、そして磨き残しのチェックを行います。歯科医院によっては、レントゲンなどの精密機器を使用して検査を行うこともあります。

一方で、予防歯科は、虫歯や歯周病を未然に防ぐことを目的としています。歯科医院でのメンテナンスや家での正しい歯磨きを通じて、口腔内の健康を守るのです。

予防歯科では何をするの?

予防歯科で歯石をとるイメージ

実際に予防歯科では何をするのか疑問に思った方は多いでしょう。ここでは、予防歯科で行われる検査や処置について解説します。

口腔内の検査をする

まずは、口の中の状態を確認します。歯周病や虫歯が発生しやすい場所を見極め、汚れが集中している部分等を確認します。予防歯科で受診した場合でも、虫歯や歯周病が見つかれば治療に進みます。

歯石取り

専用の機器や道具を使用して、歯の歯石を除去します。唾液中のカルシウムと歯垢が混ざって石灰化したものが歯石ですが、歯石は歯磨きだけでは完全に取り除くことができません。

歯石を放置しておくとさらに汚れが付着して細菌が増殖し、虫歯や歯周病の原因となります。そのため、丁寧に除去しなければなりません。

PMTC

PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、機械を使用して行う歯面清掃を指します。虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムと呼ばれる集合体は歯磨きでは除去できませんが、回転式の器具を使用すれば除去できます。

バイオフィルムの除去後、フッ素入りの研磨剤を使用して歯を磨きます。歯の再石灰化を促して、虫歯の予防につなげます。歯の着色汚れもとれるため、歯が元の白さを取り戻します。

フッ素散布

フッ素には、歯の再石灰化を促して歯質を強化する効果があります。歯質を強化すれば虫歯の原因となる酸が歯を溶かしにくくなり、虫歯を防ぐことができます。また、初期の虫歯であれば、フッ素を塗ることで改善できる可能性もあります。

歯科医院で使用されるフッ素は、家庭で使用できるフッ素より濃度が高いので、虫歯予防に非常に効果的です。

正しい歯磨き方法の指導

先述した処置も大切ですが、予防歯科においては丁寧な毎日の歯磨きが欠かせません。磨き残しを少なくするために、患者様にあった歯磨きの方法を指導します。フロス・歯間ブラシの選び方・使用方法を指導することもあります。

指導された内容で毎日歯磨きを実践すれば、虫歯や歯周病を予防し歯の健康を維持することができます。

予防歯科はいくらかかるの?

予防歯科はいくらかかるのか考える女性

予防歯科は、予防目的の処置で病気の治療ではないため、以前は保険が適用されませんでした。口腔疾患を予防することの重要性は理解していたものの、保険が適用されないため治療費を負担に感じて受診をためらっていた方もいたでしょう。

しかし、2020年の診療報酬改定により、一部保険が適用されるようになりました。保険適用される場合は3,500円~5,000円程度の費用がかかります。自由診察の場合は歯科医院によって設定金額が異なり、8,000円~3万円程が相場とされています。

費用は処置内容によっても大きく変わるため、事前に確認しておくことが大切です。

予防歯科に保険は適用されるの?

予防歯科に保険が適用されるイメージ

2020年の診療報酬改定によって、条件付きで保険が適用されるようになりました。具体的には、虫歯や歯周病が見つかった場合や、それらの発生リスクが高い場合です。

しかし、2024年の6月に新たに導入された口腔管理体制強化加算制度に認定された歯科医院を受診すると、予防歯科にも保険が適用されるようになります。

まとめ

予防歯科で歯の健康を保ち笑顔の家族

本記事では、予防歯科が大切な理由と治療方法、定期健診との違いについて解説しました。虫歯や歯周病などのトラブルが起こってから歯科医院を受診するのではなく、それらの問題を未然に防ぐことが重要です。

口腔内の健康はもちろんのこと、ご自身の体全体を健康に保つことにもつながるでしょう。健康で元気な生活を送るためにも、予防歯科の受診を検討してみてください。

予防歯科を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。