小児歯科の選び方 | こどもの健康な笑顔のための5つのポイント

2023年06月18日(日)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

口を開けて歯を見せる小さい男の子

「こどもを小児歯科に通わせたいけれど、選び方がわからない」「何を基準に小児歯科を選べばいいかわからない」など、お子さまの小児歯科選びで悩む保護者の方も多いでしょう。こどもの頃の虫歯は、歯並びや噛み合わせなど将来の歯の健康に影響するため、慎重に選びたいと思う方が多いです。

今回は、小児歯科の役割と必要性、小児歯科を選ぶときに気をつけたいポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

小児歯科に通う必要性

机の上に置かれた!マークが書かれた積み木

どうして幼い頃から歯科医院に通わなければいけないのか、疑問に思う方も多いでしょう。はじめに、小児歯科の役割と必要性について解説します。

乳歯は虫歯になりやすい

乳歯は、永久歯よりも柔らかいため虫歯になりやすく、虫歯の進行スピードも早いです。

通常、歯の表面は、エナメル質とよばれる硬い組織で覆われています。乳歯は、永久歯と比べてエナメル質の厚さが半分ほどしかありません。そのため、乳歯は永久歯よりも脆く虫歯になりやすいうえ、進行スピードが早いといえます。

乳歯から生え変わった直後の永久歯も非常に脆いので、虫歯になるリスクが非常に高いです。こどもの頃から虫歯予防をしていないと、のちに生えてきた永久歯も虫歯の脅威に晒すことになるのです。

こどもは虫歯の痛みを感じにくい

上記のように、乳歯は虫歯になりやすく進行が早いにもかかわらず、こどもは虫歯になかなか気づくことができません。

こどもは大人と比べて痛覚が未発達で、痛みを感じにくいです。そのため、痛みに気づかない場合や、痛みがあっても放置する場合があり、虫歯が進行してしまうことがあります。痛みがあってもうまく言葉にできず、気づいた頃には重症化しているケースも少なくありません。また、乳歯の虫歯は白いため、一般人が見ても虫歯とわからない場合もあります。

小児の虫歯に詳しい専門医に診てもらうことで、早期に発見し、進行を食い止めることができるでしょう。

将来の噛み合わせに影響を与える

乳歯の頃に経験した虫歯や歯周病は、将来の歯並びや噛み合わせ、全身の健康状態にも大きな影響を与えます。

「乳歯は成長するにつれて抜けるので、乳歯が虫歯になっても大丈夫」と考える人もいるかもしれません。

しかし、乳歯が虫歯菌に感染していると、永久歯も虫歯菌が感染することがあります。また、虫歯によって乳歯が早期に脱落すると、隣接する歯があいたスペースに移動する場合があります。次に生えてくる永久歯のスペースが足りず、斜めに生えるなど、歯並びにも悪影響をもたらす場合もあるのです。

歯並びの乱れは、見た目に影響を与えるだけでなく、ブラッシングが不十分になることにもつながります。ブラッシングが十分にできないと、将来的に虫歯や歯周病を引き起こす可能性も高まるでしょう。乳歯の健康状態は、あとから生えてくる永久歯の健康に直結するといっても過言ではないのです。

小児歯科は何歳から?

母親の膝の上に座って検診を受けるあかちゃん

小児歯科には何歳から通うのが最適なのでしょうか。

こどもが小児歯科に通い始める年齢として、一般的な目安とされているのは1歳半です。

1歳半になると、ほとんどのこどもに乳歯が生え始めます。虫歯や歯周病になるリスクは、歯が生えた時点で生じるため、小児歯科に通い始める年齢としてひとつの目安となるでしょう。

1歳半未満でも、乳歯が生え始めた時点で小児歯科を受診して問題ありません。こどもの歯の健康を保ちたいのであれば、なるべく早い受診を検討するとよいでしょう。

また、小児歯科に通う年齢の上限も、特に厳密な制限はありません。一般的には、永久歯が生えそろう中学生頃まで通院するケースが多いです。永久歯が生えそろったあとは、大人と同じ一般歯科で治療や予防ができます。

小児歯科の診療内容

歯の模型を使って説明する男性医師と、母親の膝に座る男の子

小児歯科では、主に2種類の診療を行っています。

歯科健診

小児歯科の基本は、定期的な歯科健診です。歯の健康を保つには、予防が欠かせません。虫歯になってから、違和感があるから、ではなく、虫歯になる前から歯科医院に通うことが重要です。痛みを感じる前に虫歯を発見して治療できるなど、治療による痛みを少なくすることもできるでしょう。

幼い頃から口腔ケアを習慣づけることで、虫歯のない健康的な歯を維持することはもちろん、噛み合わせや歯並びの乱れなどのトラブルにも早期に対応することができます。歯の健康を保つ大切さを意識させることで、大人になっても自己管理がしっかりできるようになるでしょう。

歯科健診で行う具体的な診療内容は、以下のとおりです。

  • 歯や歯茎の状態チェック
  • 歯のクリーニング
  • 歯科衛生士による歯磨き指導
  • 噛み合わせのチェック
  • 生活や食事習慣のチェック
  • フッ素塗布やシーラント(予防填塞)などの虫歯予防処置

矯正歯科

小児歯科では、上記の歯科健診とあわせて矯正歯科も行います。矯正治療というと、金属の装置を取り付けて乱れた歯並びを矯正するというイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし、小児の矯正は歯並びや噛み合わせが悪くならないように誘導する治療をメインに行います。例えば、将来歯並びに悪影響を及ぼす可能性のある原因や、指しゃぶりや食いしばりなどの悪い癖があれば取り除きます。顎の成長が正しく行われるよう促すことが目的です。

また、怪我などで乳歯を失ったときは、永久歯が生えるスペースを確保する装置を入れることで、歯並びへの影響を抑えます。

小児歯科を選ぶ際の重要なポイント

机の上に置かれた、pointと書かれた積み木

最後に、小児歯科を選ぶ際にチェックしてほしい重要なポイントを5つご紹介します。

こどもが怖がらない工夫がされているか

小児歯科を選ぶ際は、こどもが怖がらない工夫がされているかチェックしましょう。

歯科医院は大人でも行きたくないと思う方や、不安を感じる方が多い場所です。こどもが怖がることも当然といえるでしょう。そのため小児歯科を選ぶときは、こどもが怖がらないように配慮されているかどうかを確認するのが大切です。

特に、次の項目に注意して選ぶとよいでしょう。

  • こどもが好きなキャラクターや絵、ぬいぐるみなどが置いてある
  • スタッフがこどもの緊張をほぐすような対応をしてくれる
  • 些細なことでもスタッフが褒めてくれる
  • スタンプカードやシールなど、定期的に通いたくなるような工夫がされている

丁寧で的確な説明があるか

歯科医師やスタッフの説明が適切にされるかどうかも重要なポイントです。

治療には、メリットだけでなくデメリットがあります。痛みが強く出る場合や治療に時間がかかる場合もあるでしょう。都合のよい情報だけを伝えてくる歯科医院では、安心して治療を受けることはできません。治療の際にメリットだけでなく、リスクなどもきちんと説明してくれる歯科医院を選びましょう。

キッズスペースが完備されているか

キッズスペースが完備されているかも大事なチェックポイントです。

こどもにとって、歯科医院での長い待ち時間は苦痛です。待ち時間が緊張や不安を増幅させ、泣いてしまうこともあります。歯科医院のキッズスペースがどんな環境かもチェックしましょう。絵本やぬいぐるみ、おもちゃなど、こどもたちが気軽に遊べるものがあるとリラックスできるでしょう。また、親が一緒に入れるよう、適度なスペースが確保されていると安心です。

自宅などから通いやすいか

自宅や学校・職場・幼稚園・保育園などから通いやすい歯科医院を選びましょう。

上述したとおり、小児歯科では定期的に通って健診を受けることが大切です。年齢にもよりますが、こどもが1人で通うことは難しいため、通院には保護者の送迎が必要です。自宅や職場、こどもの学校、幼稚園などからアクセスが悪いと通院が難しくなり、定期健診が途絶えてしまう恐れがあります。無理なく通える場所にある歯科医院を選ぶことも重要です。

小児歯科専門医がいるか

可能であれば、小児歯科専門医がいる歯科医院を選びましょう。より専門的な治療が期待できます。

小児歯科専門医とは、小児歯科医療の発展と向上を目的とし、日本小児歯科学会から専門的知識と技術、公共的使命、社会的責任を有すると認定された歯科医師にのみ与えられる資格です。小児歯科のスペシャリストといってもよいでしょう。

小児歯科の場合、こどもは口腔内の発達が未熟なうえ、虫歯などの進行が大人より早いです。より正確で専門的なケアが必要になるでしょう。もちろん、歯科医師であれば小児の歯科治療も問題なく行えますが、より小児歯科に特化した治療を希望するのであれば、小児歯科専門医が在籍する歯科医院を選ぶことを推奨します。

まとめ

口を大きく開けて歯を見せる男の子

今回は、小児歯科の必要性と、歯科医院を選ぶときに特に気をつけたい5つのポイントをご紹介しました。

幼い頃から歯科医院に通うことは、現在生えている乳歯を虫歯から守るだけでなく、将来生えてくる永久歯の健康状態をよりよくするために非常に大切です。小児期から定期的に歯科医院に通うことで、歯の健康を自分で守る意識が芽生えます。大人になっても口腔ケアを抵抗なく行えるでしょう。

こどもが通う歯科医院は、慎重に選ぶことが大切です。こどもが積極的に楽しみながら通える小児歯科医院を選びましょう。

小児歯科の受診を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。