乳歯の生え変わりの時期と順番、よくあるトラブルについて解説!

2023年07月27日(木)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

乳歯の抜けた男の子

「なかなか乳歯が抜けない」「乳歯の後ろから永久歯が生えている」など、乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、親御さんにとって心配になることが多い時期だといえます。乳歯は、6歳前後から永久歯に生え変わり始め、12歳ごろまでの間に生え揃うのが一般的です。永久歯への生え変わりのタイミングやスピードには個人差があるため、この年齢より多少遅くても早くても問題ないことがほとんどです。

しかし、乳歯が抜けていないのに永久歯が生えていたり、生え変わりに左右差があったりする場合、永久歯への生え変わりがうまくできていないかもしれません。

今回は、乳歯の生え変わりの時期と順番について解説します。生え変わりの時期によくある5つのトラブルと、それぞれの対処法についても言及していますので、ぜひ参考にしてください。

乳歯の本数

乳歯と永久歯の3D画像

乳歯の本数は、上の歯10本、下の歯10本の合計20本です。

生後6か月ごろから生え始め、3歳くらいまでの間に生え揃います。乳歯が生え揃うまでの期間については個人差があるものの、1歳を過ぎても乳歯が生え始めない場合は一度、歯科医院を受診するようにしましょう。

乳歯の構造は、永久歯と同じくやわらかい象牙質と、それを覆う硬いエナメル質の2層構造ですが、永久歯と比べるとどちらも薄いため脆い傾向にあります。そのため、一度虫歯になってしまうと、広がりやすいので注意が必要です。

乳歯の生え変わりの時期

女の子とクエスチョンマーク

乳歯は、成長とともに乳歯の根っこが吸収されて乳歯の長さが短くなることで、永久歯に押されて自然と乳歯が抜け落ち、永久歯に生え変わります。

永久歯の中で最も早く生えてくるのは、下の前歯と6歳臼歯と呼ばれる、前から6番目の大臼歯です。永久歯への生え変わりについては個人差がありますが、6歳前後から永久歯に生え変わり始め、12歳ごろまでの間に生え揃うのが一般的です。

乳歯の生え始める時期と同じく、永久歯への生え変わりのタイミングやスピードは個人差があります。乳歯が生え始める時期が早いお子さんや顎の成長が早いお子さんは、永久歯の生え変わる時期が早くなるといわれています。また、永久歯が生え始めるスピードが遅くても、乳歯の下に永久歯がいることが確認できれば問題ないことがほとんどです。6歳より前に永久歯が生えることや、12歳までにすべての永久歯が生え揃わなくても心配ないのでご安心ください。

乳歯の生え変わりの順番

抜けた歯を見て笑顔の男の子

 

歯の位置 上の歯 下の歯
中切歯(前歯) 7~8歳 6~7歳
側切歯(前から2番目) 8~9歳 7~8歳
犬歯(前から3番目) 11~12歳 9~11歳
第一小臼歯(前から4番目) 9~11歳 10~12歳
第二小臼歯(前から5番目) 9~12歳 11~12歳
第一大臼歯(前から6番目) 6~7歳 6~7歳
第二大臼歯(前から7番目) 12~13歳 11~13歳

 

生え変わりの目安としては、6~7歳ごろに下の前歯が生え変わり、同じくらいの時期に乳歯の1つ奥から第一大臼歯が生え始めます。7~8歳になると、上下の前歯が抜け、前から奥の順番に生え変わります。一番奥の第二大臼歯は、乳歯から永久歯に生え変わり終えた後、11~13歳の間に生え揃うことがほとんどです。

下の歯も上の歯も前から奥の順に生え変わりますが、犬歯が頭を出してから生え揃うまでには時間がかかります。

ただし、生え変わりについては個人差がありますので、ここで紹介した生え変わりの順番についてはあくまでも目安として参考にしてください。

生え変わりの時期によくあるトラブルと対処法

不安げな男の子を見守る母と歯科医

ここでは、乳歯から永久歯への生え変わりの時期によくある5つのトラブルと、それぞれの対処法について解説します。

①乳歯が抜けずに永久歯が生えてきた

乳歯がぐらついているもののなかなか抜けず、違うところから永久歯が生えてくることがあります。特に下の前歯に起こりやすく、そのままにしておくと永久歯の歯並びに影響することがあるので注意が必要です。

このような場合、乳歯を抜くことで、永久歯が本来あるべき位置に移動します。乳歯が抜けずに永久歯が生えてきた場合は、歯科医院を受診しましょう。

永久歯がなかなか生えてこない

乳歯が抜けてから永久歯が生えるまでには、3か月ほどかかるといわれています。特に、上の前歯は生え変わりに時間がかかります。乳歯が抜けてから永久歯が生えない期間があったとしても、3か月ほどは様子をみるとよいでしょう。

しかし、3か月を過ぎてもうまく生え変わりできていない場合は注意が必要です。永久歯が生まれつきないケースや、余分な歯(過剰歯)が邪魔をしているケースなど、さまざまな原因が考えられます。

このような場合は、すみやかに歯科医院を受診しましょう。

乳歯が抜けない

永久歯への生え変わりは、成長とともに乳歯の根っこが吸収され、永久歯に押し出されるようにして乳歯が抜けることで起こります。

しかし、いつまでたっても乳歯がグラつかずしっかり生えている場合は、生まれつき永久歯がないかもしれません。

このような場合、大人になっても乳歯を使い続けるか、矯正治療や補綴(ほてつ)治療などが必要です。レントゲンで永久歯の有無についての確認や将来的な治療を決める必要がありますので、歯科医院を受診しましょう。

永久歯のすき間が大きい

乳歯から永久歯に生え変わったあと、永久歯の歯と歯の間が大きく空いていることがあります。特に、上の前歯に起こりやすいため、すきっ歯の心配をされる親御さんもいらっしゃるかもしれません。成長とともに、すき間はだんだん閉じていきますのでご安心ください。

しかし、あきらかに歯と歯のすき間が大きすぎる場合には、歯科医院を受診しましょう。歯茎の中に過剰歯があり、邪魔になってすき間ができてしまっていることがあります。

このような場合、歯茎の中の過剰歯の抜歯が必要になることもあるでしょう。

生え変わりに左右差がある

通常、問題がなければ、左右均等に乳歯から永久歯に生え変わっていきます。

生え変わりに左右差がみられる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。正中(歯の真ん中)がずれることや、歯並びが悪くなるかもしれません。生え変わりに左右差があるのは、左右どちらかの永久歯が生まれつきない、歯の位置などが問題でうまく永久歯が生えない、過剰歯が邪魔になっているなど、原因はさまざまです。

 

生え変わりの時期の歯磨きのコツ

笑顔で歯磨きをしてもらう男の子

永久歯への生え変わりの時期は、乳歯と永久歯が両方生えているため、歯磨きしにくく、虫歯になりやすい時期といえます。乳歯が虫歯になっても、すぐに永久歯に生え変わるからと、そのままにしている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯を放置すると永久歯の成長を妨げたり歯並びが悪くなったりして、永久歯に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。永久歯への生え変わりの時期は、以下の場所が虫歯になりやすいといわれています。

 

・奥歯の溝

・生えかけの永久歯

上の前歯

・抜けた乳歯との隣接面

・歯と歯の間

 

ここでは、上記の虫歯になりやすい場所の歯磨きのコツと、仕上げ磨きの注意点について解説します。

奥歯の溝

奥歯の溝は、歯ブラシの毛先がきちんと当たらなければ汚れを除去できません。歯ブラシの毛先が曲がるほど力強く磨いているのなら、歯磨きの力が強すぎる証拠です。

奥歯1本あたりに20回ほど小刻みに動かし、やさしく丁寧に磨きましょう。

生えかけの永久歯

一番初めに生える第一大臼歯は乳歯の後ろから生えますが、完全に頭を出すまで時間がかかります。そのため、生え変わるまでは磨きにくく、虫歯になりやすいので注意が必要です。

生えかけの永久歯を磨く際は、前側から歯ブラシを入れても届きません。横側から歯ブラシを入れて、永久歯に歯ブラシを当てることを意識して磨きましょう。

上の前歯

乳歯と永久歯が両方生えている時期は、歯の大きさが違うことやデコボコした歯並びになっていることで磨きにくいといえます。特に、上の前歯は、横向きに歯ブラシを入れて磨いているだけでは、歯と歯の間や重なっている部分などが歯ブラシに当たらず、虫歯になりやすいため注意が必要です。

上の前歯を磨く時は、歯ブラシを縦向きにして、1本1本丁寧に磨くとよいでしょう。

抜けた乳歯との隣接面

生え変わりで乳歯が抜けると、その両隣の側面に汚れが溜まりやすくなります。

乳歯が抜けたあとは、生えかけの永久歯を磨く時と同じように横から歯ブラシを入れ、横向きにしたり斜めにしたりと、さまざまな角度で側面を磨きましょう。

歯と歯の間

生え変わりの時期が進み、永久歯が生え揃ってくると、乳歯のころに比べて歯と歯のすき間が小さくなります。結果的に、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなるため注意が必要です。

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは汚れが除去できません。フロスや糸ようじを使って、できるだけ磨き残しを少なくしましょう。

⑥仕上げ磨き

虫歯になりやすい生え変わりの時期は、こどもが歯磨きした後は必ず仕上げ磨きをするようにしましょう。特に、奥歯の溝や生えかけの永久歯、上の前歯など、虫歯になりやすい箇所は重点的に磨くのがおすすめです。

また、仕上げ磨きだけでなく、お口の中のチェックも忘れずに行いましょう。永久歯への生え変わりに左右差がないか、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきていないかなど、日頃から確認しておくことで、何か異変があればすぐに気づけます。

生え変わりの時期にトラブルがある場合、歯科医院での治療が必要なケースもあります。乳歯から永久歯への生え変わりに問題がないかは、親御さんの見守りと定期的な歯科医院の受診が大切です。そのため、永久歯が生え揃うまでは、できるだけ仕上げ磨きをして、定期的にお口の中を確認するようにしましょう。

まとめ

治療を受け笑顔の女の子と女医

乳歯は、成長とともに乳歯の根っこが吸収され、永久歯に押されて自然と乳歯が抜け落ちることで永久歯に生え変わります。永久歯の中で最も早く生えてくるのは、下の前歯と6歳臼歯と呼ばれる、前から6番目の大臼歯です。永久歯への生え変わりについては個人差がありますが、6歳前後から永久歯に生え変わり始め、12歳ごろまでの間に生え揃うのが一般的です。

しかし、乳歯から永久歯への生え変わりについては個人差があるため、この時期より遅くても早くても心配する必要はありません。

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えている、永久歯がなかなか生えてこない、生え変わりに左右差があるなどの場合、歯科医院の受診が必要なケースもあります。乳歯から永久歯への生え変わりに問題がないかは、仕上げ磨きによる親御さんの見守りと定期的な歯科医院の受診が大切です。

生え変わりの時期にあるお子様の受診を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください