抜歯をしたほうがいい乳歯とは?抜歯の流れや注意点も解説

2024年02月17日(土)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

抜歯したほうがいい乳歯

乳歯は、子供の成長に合わせて自然に抜けるものです。場合によっては抜歯をしたほうがいいことをご存じでしょうか。抜歯をするとどんなメリットがあるのか気になる保護者の方が多いでしょう。

この記事では、乳歯の概要や、抜歯したほうがいい乳歯について詳しく解説します。抜歯の流れや、抜歯後の注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

乳歯とは

乳歯

乳歯は、子どもの歯と呼ばれる歯です。生後6か月頃から生え始め、2~3歳までには上下合わせて20本の歯が生えそろいます。

乳歯には、ものを噛む役割だけでなく、顔の形を整えるなどの役割もあります。そもそも歯には、発音を助ける、体のバランスを保つ、表情を作るといった役割があります。ものを噛むことで脳に刺激を与えるなど、非常に重要な役割を果たしているのです。

乳歯の段階から歯を大事にして、健康な状態を維持することが大切です。

乳歯が生える時期

乳歯が生える時期や順番には個人差がありますが、一般的には生後6か月頃に下の乳中切歯から生える子どもが多いです。その次に、上の乳中切歯が生え始めるでしょう。その後、2~3年かけて、前から奥へと生えていきます。

早い場合は生後4か月頃から、遅い場合は1歳頃から生え始めることもあります。

乳歯の役割

乳歯は、咀嚼や発音だけでなく、永久歯が正しく生えるためのガイドとしての役割も担っています。乳歯が早期に脱落すると、永久歯が正しい位置に生えることができなくなる可能性があるのです。

乳歯は永久歯に比べて歯質がやわらかく虫歯になりやすいため、毎日の歯磨きや定期的な歯科検診が欠かせません。子どもの発育や成長にとって、乳歯は非常に重要です。正しい乳歯のケアについて知りたければ、歯科医師に相談しましょう。

生え変わり

個人差がありますが、生え変わりは6歳前後から始まるのが一般的です。そこから6~7年ほどかけて、永久歯へと生え変わっていきます。

永久歯の根が作られ始めると、乳歯の根が徐々に溶かされて抜け落ち、永久歯が生えてきます。

抜歯したほうがいい乳歯とは?

抜歯した歯

乳歯は、子供の成長に合わせて自然に抜けます。

しかし、抜歯をしたほうがいい乳歯もあります。どのようなケースでは、抜歯を検討するのでしょうか。

一般的に、以下のような場合は乳歯の抜歯を検討します。

  • 永久歯が生えてきているのに抜けない乳歯
  • 虫歯が進行して神経が死んだり膿が溜まったりしている場合
  • 外傷によって折れたり位置がずれたりしている乳歯
  • 永久歯が生えるスペースを圧迫している乳歯
  • 永久歯が生えるのを妨げている乳歯
  • 噛むと痛みがある乳歯
  • 虫歯が再発した乳歯
  • 生えている場所がおかしい乳歯
  • 見た目が気になる乳歯

上記のような場合には、早めに歯科医師に相談しましょう。今後の治療や抜歯のタイミング、方法を決めることが大切です。

抜歯をすることで、永久歯の正常な発育や健康な口腔環境を保つことにつながります。

ただし、抜歯は必要以上に行わないように注意しなければなりません。乳歯は永久歯のガイドとなる役割も果たしているため、不必要に抜くと永久歯の生え方に影響を与える可能性があります。

また、抜歯後は適切なアフターケアを行い、出血や感染などを防ぐことも重要です。抜歯をしたほうがいいかどうかは、患者さまの状況に応じて判断する必要があります。

乳歯を抜歯する流れ

抜歯する子供

乳歯の抜歯は、虫歯や歯周病などが進行したり、永久歯の生え方に影響を与えたりする可能性がある場合に行われます。歯科医師が乳歯を抜歯したほうがいいと判断した場合、どのような流れで治療が行われるのでしょうか。

乳歯を抜歯するときの一般的な流れは、以下のとおりです。歯科医院によって異なる場合があるので、処置を受ける前に確認しましょう。

口腔内の確認

まず、歯科医師が乳歯の状態や永久歯の位置をレントゲンや口腔内カメラなどを用いて確認します。その上で、抜歯の必要性をしっかり検討します。

抜歯する場合は、方法やリスク、注意点などを保護者に説明します。

麻酔

麻酔は、注射や塗り薬、笑気など、いくつかの方法があります。お子さまの年齢や体重、歯の状態などに応じて、麻酔薬や量を決定します。

麻酔をするときの痛みを軽減するために、表面麻酔薬や電動麻酔器などを使って工夫することもあります。

抜歯

麻酔が効いてきたら、抜歯をします。専用の器具を使って、乳歯をやさしく引っ張るように抜きます。

麻酔が効いているので、抜歯をする際にはほとんど痛みを感じません。圧迫される感じがしたり、歯を抜く際の振動を感じたりはするかもしれません。

怖がるこどもも多いので、慎重に処置を進めます。

止血

抜歯が終わったら、止血のためにしっかりとガーゼを噛んでもらいます。ガーゼは30分ほど噛み続ける必要があります。

その間に、抜歯後の注意点やケアの方法などを保護者に説明します。血が止まったことを確認できたら終了です。

乳歯を抜歯したあとの注意点

乳歯を抜歯したあとの注意点イメージ

乳歯を抜歯したあとは、いくつかの注意点に気をつけて過ごしましょう。傷口が早く治るだけでなく、感染や合併症のリスクも低減できます。

抜歯した後に痛みや腫れがひどくなったり、発熱や頭痛などの全身症状が出たりしたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。乳歯を抜歯したあとの注意点は、以下のとおりです。

  • 麻酔が切れるまで食事をしない
  • 抜歯した部分は歯磨きを避ける
  • 激しい運動や入浴を控える
  • 痛みがあるときは鎮痛薬を飲む

それぞれ詳しく解説します。

麻酔が切れるまで食事をしない

麻酔が効いたままだと、唇や頬を噛みやすいです。温度もわかりづらくなるので、やけどをする恐れもあるでしょう。

抜歯した当日から翌日までは、やわらかい常温のものを食べるようにしましょう。例えば、ヨーグルトや冷たいうどんなどが挙げられます。

また、食事の後は必ず歯磨きをして、口の中を清潔に保ちましょう。

抜歯した部分は歯磨きを避ける

口の中を清潔に保つことは重要ですが、抜歯した部位を無理に磨く必要はありません。無理に歯磨きをすると、傷口にある血の塊が取れて出血したり、感染したりする可能性があります。

抜歯した部位以外の部分は通常通り磨いて構いません。抜歯部位の周辺は痛むこともあるので、歯ブラシで磨かずうがいに留めるとよいでしょう。

ただし、強くうがいすることは避けてください。水を含んで吐き出す程度で問題ありません。痛みが落ち着いたり傷口が治ってきたら、優しく磨いてあげてください。

激しい運動や入浴を控える

抜歯後しばらくの間は、運動や入浴などの激しい動作を控えましょう。運動や入浴によって体温が上がると、出血が増えたり痛みが強くなったりすることがあります。

特に、入浴すると血圧が上昇して再び出血する可能性があります。シャワーは問題ありませんが、湯船につかるのは避けましょう。

また、激しい運動は傷口の回復を遅らせるだけでなく、転倒や衝突などの事故の原因にもなりかねません。

痛みがあるときは鎮痛薬を飲む

痛みがひどいときは、歯科医師が処方した鎮痛薬を飲みましょう。市販の鎮痛薬には、血液の凝固を妨げる成分が含まれている場合があるので可能であれば使用しないでください。

まとめ

笑顔の子供

乳歯は自然に永久歯に生え変わりますが、時には抜歯が必要なケースもあります。抜歯が必要な乳歯であるかどうかは、歯科医師が判断します。

何か異常を感じた時は、まずは歯科医院に相談してください。お子さまの口腔内の状態を診察した上で、抜歯を検討することが大切です。

抜歯を行う際には、麻酔をしてから乳歯を器具でつかんでゆっくりと引き抜いていきます。抜歯後は、出血を止めるためにガーゼを噛んだり冷やしたりする必要があります。

また、抜歯後数日間は、食事や飲み物に気をつけたり、口内を清潔に保ったりすることが重要です。

抜歯は、子どもにとっては怖い経験と言えるでしょう。保護者や歯科医師と協力することで、スムーズに行うことができます。

お子さまの歯の状態が気になる方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。