こどもが歯医者を嫌がる理由と対策を解説!

2023年10月21日(土)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

歯医者が嫌で泣く子供

こどもが歯医者を嫌がるとき、どう対応すればよいのか悩むことがあるでしょう。「こどもが治療中に暴れて困る」「歯医者への恐怖心を克服させたい」と考える保護者の方も多いです。

今回は、こどもが歯医者を嫌がる理由と、嫌がらないための対策をご紹介します。健康な口内環境を維持するためには、歯医者に行くことは避けられません。ぜひ本記事を参考にこどもが歯医者を嫌がる原因を知り、適切に対応しましょう。

こどもが歯医者を嫌がる理由

母に抱きつく子供

こどもが歯医者を嫌がる理由は、以下の3つです。

  • 痛みや不快感
  • 知らない環境への不安
  • 保護者の態度や行動、こどもの経験

それぞれ解説します。

痛みや不快感

歯科治療は、ドリルの音や振動など、こどもにとって不快感を伴う場合が多いです。治療内容によっては、麻酔などの痛みを感じることもあるでしょう。

特に、歯科治療の機械音は日常生活では聞き慣れず、恐怖を感じるこどもが多いです。ふだんの歯磨きで痛みを感じているこどもも、歯医者を嫌がるケースがあります。

大人よりもこどものほうが痛みに対して敏感です。大人以上に、歯医者に対して拒否反応がでやすいのです。

知らない環境や人への不安

歯医者は、こどもにとって慣れない場所です。慣れない場所で慣れない人に口を触られることに、不安を感じるケースがあります。

こどもは、自分が安心できる自宅などの環境から離れることにうまく適応できないことがあります。大人でも未知の状況に恐怖を感じることはありますが、こどもの場合は感じた恐怖を消化できず、泣く・暴れるなどの行動として現れるのです。

こどもは、親ではない大人と接する経験も豊富ではありません。歯医者のスタッフを怖いと感じやすいのです。

保護者の態度や行動、こどもの経験

保護者が歯医者を嫌っていると、こどもも嫌いになりやすいといわれています。こどもは、保護者の言動を真似する傾向があるからです。

保護者だけでなく、周囲の大人から「歯医者は痛い」「歯を削られる怖いところだ」と聞かされたこどもは、恐怖が増長する傾向もあります。また、親が歯医者に通う習慣がないと、こどもも自分の歯の健康に意識が向かないでしょう。

こどもが過去に歯科治療で痛い経験をしたことがある場合も、歯医者に対し恐怖を感じやすいです。

こどもが歯医者を嫌がらないための対策

歯医者について話す親子

こどもが歯医者を嫌がらないための対策は、以下のとおりです。

  • 嘘をついて連れて行かない
  • 午前中に連れて行く
  • 痛みや不快感を軽減してもらう
  • 事前にイメージトレーニングをする
  • 歯医者でポジティブな経験をさせる
  • 恐怖を感じにくい環境を作る
  • 保護者が歯医者を悪く言わない

7つご紹介しますが、すべて実践することは難しいでしょう。こどもの状況に合わせて必要だと思う対策や、できそうと思う対策から実行してください。

嘘をつかない

歯医者に行くとき「遊びに行くよ」などと声をかけ、嘘をついて連れ出すことはやめてください。信頼している保護者に裏切られたショックと、歯医者への恐怖を同時に感じるため、さらに歯医者を嫌がるようになります。

治療に関して「痛くないよ」と嘘をつくのも避けてください。痛くないなら、と頑張って治療を受けたのに痛みを感じた場合、裏切られたと感じるでしょう。

年齢や精神の発達状況にもよりますが、通院日の朝には歯医者に行くことを優しく伝え、嘘をつかずに受診しましょう。

午前中に連れて行く

午後は、機嫌が悪くなるこどもが多いです。昼食後に眠くなる、夕方にお腹が空いているなど、ほかに不快なことがあると歯医者も嫌がるでしょう。

不快感がある状態で歯医者に行くと、恐怖や不安が強くなりやすいです。可能であれば、午前中に連れて行きましょう。

痛みや不快感を軽減してもらう

歯科治療による痛みや不快感は、こどもが歯医者を嫌がる大きな原因です。麻酔や鎮痛剤の使用を依頼するなど、軽減できるように努めましょう。

定期健診を受けて、歯医者にこどもを慣れさせることも効果的です。「慣れない安心できない場所」ではなく「たまに来て口の中を見てもらう場所」と認識してもらうことが大切です。

歯科医師や歯科衛生士に口の中を見せることに慣れると、治療する際もスムーズでしょう。定期検診では痛みを伴う治療を行うことは少ないので、歯医者に慣れて不快感を減らす効果が期待できます。

事前にイメージトレーニングをする

歯医者は怖いところではないというイメージを、こどもに持ってもらうことも重要です。絵本やアニメ、YouTubeで歯医者について知ってもらいましょう。

歯磨きなどで口の中を刺激されることに慣れてもらうのも効果的です。歯科治療で生じる痛みへの耐性も向上するでしょう。

歯医者でポジティブな経験をさせる

歯医者では、治療などのネガティブな経験をすることが多いです。ネガティブな経験をする場所だと認識すると、こどもは歯医者を嫌がるでしょう。

歯医者のあとはご褒美をあげる、治療中や治療後にしっかり褒めるなど、ポジティブな経験をさせてあげてください。歯医者に行くとよいことがある、褒めてもらえるなどの経験が積み重なれば、嫌がることが減るかもしれません。

特に、歯科治療中にこどもが暴れても、怒らないことが大切です。治療中に動かないことは大人にとっては常識かもしれません。

しかし、恐怖や不安を感じているこどもにとっては、非常に難しい行為です。治療用の椅子に座れたこと、泣かずに口を開けられたことなど、スモールステップで褒めてあげてください。

恐怖を感じにくい環境を作る

「嫌がるから何度も歯医者に連れてくるのが大変」「一気に治してほしい」など、事情はあるかもしれませんが、一度で治療を終わらせようとしないほうがよいでしょう。一度にまとめて治療すると治療時間が長くなり、こどもが苦痛を感じます。

一度の治療時間が短くなれば、じっとしていなければならない時間が減り、ストレスを軽減できるでしょう。

こどもがリラックスできるよう、おもちゃを持参してもよいでしょう。キッズスペースを設けているなど、こどもが嫌がらないように配慮している歯科医院もあります。

こどもが小さい場合は、保護者の方の膝の上に座らせると恐怖を感じにくいです。

また、TSD法を歯医者に依頼してもよいでしょう。TSDとは「Tell・Show・Do」の頭文字です。

治療前にこどもに何をするか説明する(Tell)、使用する器具を見せる(Show)、実際に行う(Do)という段階を経ることで、何をされるかわからない恐怖を軽減できます。

保護者が歯医者を悪く言わない

こどもは、保護者の対応を手本にしながら周りとの関わり方を学びます。保護者が嫌いなものに対して悪い対応をしていると、こどもも嫌いになる傾向があるのです。

保護者が歯医者を悪く言っていると、こどもは「歯医者は嫌なところだ」と学習するでしょう。保護者が歯科医師に冷たく対応している場合「雑に扱っていい人なんだ」と学習します。

治療後は、歯科医師に対してこどもと一緒にお礼を言いましょう。保護者が感謝していることを理解すれば、こどもも信頼しやすくなります。

ふだんの生活では「ちゃんと歯磨きしないと歯医者さんで痛くされるよ?」など、恐怖を煽って歯磨きをさせることも避けましょう。歯磨きは大切ですが、歯医者は怖いというイメージをこどもに植え付けることになります。

まとめ

笑顔の親子

こどもが歯医者を怖がる理由は、痛みや不快感、知らない環境への不安、保護者の態度や行動が挙げられるでしょう。過去に歯科治療で痛い思いをしたこどもも、歯医者を嫌がる傾向があります。

こどもが歯医者を嫌がる場合は、嘘をつかないこと、事前にイメージトレーニングをすることなどで対応しましょう。痛みを軽減してもらえるよう歯医者に依頼することも効果的です。

こどもは、慣れない場所への恐怖や不安を大人よりも強く感じます。定期検診で歯医者に慣れてもらうことも重要でしょう。定期検診では痛みを伴う治療は行わないことが多いので、嫌がることなく受けられる可能性が高いです。

また、こどもは保護者の方の言動を見て、周囲との関わり方を学びます。歯医者は怖い、というイメージを植え付けないよう、日頃から言動に注意してください。

小児歯科をご検討の方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。