インビザライン矯正で抜歯が必要な症例とは?抜歯のタイミングも解説
2024年04月27日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「インビザライン矯正をする前に抜歯をしなければだめ?」「抜歯をするメリット・デメリットについて教えてほしい」「抜歯をせずにインビザライン矯正はできないの?」など、インビザライン矯正での抜歯について疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。
患者さまの歯並びの状態によっては、インビザライン矯正を始める前に抜歯が必要になる場合がありますが、健康な歯を抜くことに抵抗を感じる患者さまも多いでしょう。
そこで本記事では、インビザライン矯正で抜歯が必要になる症例や抜歯をするメリットについて詳しく解説します。インビザライン矯正を検討している方や抜歯をするべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン矯正で抜歯をするメリット
インビザライン矯正を始める前に、歯科医師から抜歯をすすめられるケースがあります。
しかし「歯を抜かれるのは嫌だな」と、抜歯に抵抗を感じる方も少なくないでしょう。
ここでは、矯正を始める前に抜歯をすることで得られる3つのメリットをご紹介します。
- 歯を動かすスペースを確保できる
- 歯茎が下がるリスクを防げる
- 口ゴボの改善が期待できる
それぞれ順番に解説します。
歯を動かすスペースを確保できる
あごが小さかったり歯並びが極端に悪かったりする場合は、インビザライン矯正を始める前に抜歯をして歯を動かすスペースを確保する必要があります。
抜歯をしないと狭いスペースに無理やり歯を収めることになり、前歯が押し出されて出っ歯のようになる可能性があるためです。
抜歯をすることで歯を並べる十分なスペースを確保できるため、歯並びをきれいに整えることが可能になるでしょう。
歯茎が下がるリスクを防げる
歯を移動させるスペースがないのに無理やり歯を移動させようとすると、歯肉退縮が起こる可能性があります。歯肉退縮とは、歯に大きな力が加わることで歯ぐきが下がり、歯根が露出することです。
抜歯をすることで歯肉退縮のリスクを軽減できるため、歯を残しながら無理に矯正を進めるよりも、抜歯をしてから矯正を進めたほうがよい場合もあります。
口ゴボの改善が期待できる
抜歯をしてからインビザライン矯正をおこなうことで、歯を大きく移動させることが可能となり、口ゴボの改善も見込めるでしょう。
口ゴボとは、出っ歯じゃないのに口元が出っ張っている・老け顔やサル顔に見える歯並びのことです。横顔がサルに似ることからモンキーフェイスとも呼ばれます。
整った歯並びと美しい横顔を手に入れるためにも、口ゴボが気になる方は抜歯を検討するとよいでしょう。
インビザライン矯正で抜歯をするデメリット
インビザライン矯正を始める前に抜歯をすると上記のようなメリットがありますが、デメリットも存在します。
インビザライン矯正で抜歯をするデメリットは、以下の4つです。
- 健康な歯を失うことになる
- 治療期間が長引く場合がある
- 食事がしにくくなる場合がある
- 痛みや腫れがでる可能性がある
それぞれ順番に解説します。
健康な歯を失うことになる
抜歯をするということは健康な歯を失うということです。虫歯でもないのに抜歯をすることに抵抗を感じる方も多いでしょう。
治療期間が長引く場合がある
歯並びの状態によっては、歯を移動させるためのスペースを確保する目的で抜歯をすることがあります。
しかし、抜歯をともなう矯正は治療期間が長くなる場合があるのです。抜歯をしたら、空いたスペースに歯を移動させる必要がありますが、マウスピースを装着して動かせる距離は1ヶ月で1mm程度です。
そのため、抜歯をした部分に歯を移動させるのに多くの時間を要することとなり、抜歯をしないケースよりも治療期間が長引く可能性があるのです。
食事がしにくくなる場合がある
スペースを確保するために抜歯をした場合、その箇所の歯がなくなります。空いたスペースに歯が移動するまで時間がかかるため、その間は食べものが噛みづらくなるでしょう。
痛みや腫れがでる可能性がある
抜歯をしたあとは、痛みや腫れがでる可能性があります。口の開け閉めが難しくなる場合もあるでしょう。痛みは抜歯後2〜3日がピークで、1週間もすれば治まるため、過度に心配する必要はありません。
歯科医院から痛み止めが処方される場合もあります。痛みが強い場合は痛み止めを服用しましょう。なお、痛み止めは市販のものでも代用が可能です。
インビザライン矯正で抜歯が必要な症例
インビザライン矯正で抜歯が必要なケースはさまざまです。
以下は、一般的にインビザライン矯正で抜歯が必要とされる3つの症例です。
- 前歯が突出している(出っ歯)
- 歯を動かすスペースがない
- 虫歯や歯周病がある
順番に解説します。
前歯が突出している(出っ歯)
歯並びが悪く、前歯が突出している場合は、抜歯をしてスペースを確保する必要があります。 抜歯をして前歯を後ろに下げるスペースを確保できれば、突出感を改善できるでしょう。
歯を動かすスペースがない
歯を動かすスペースがない場合は、抜歯をして歯を動かすスペースを作る必要があるでしょう。たとえば、出っ歯や受け口、叢生(そうせい)などの場合は、歯を動かすスペースがないケースが多いです。そのため、抜歯をして歯を動かすスペースを作る必要があります。
虫歯や歯周病がある
虫歯や歯周病がある場合にも抜歯をすることがあります。虫歯や歯周病の症状が軽度であれば抜歯の必要はありませんが、重度の場合は、抜歯の対象となります。
虫歯や歯周病が進行していると歯ぐきが弱くなり、インビザライン矯正で歯に力を加えると歯が抜け落ちる可能性があるためです。
インビザライン矯正で抜歯が不要な症例
では、インビザライン矯正で抜歯が不要な症例はどのような症例なのでしょうか。
歯科医師の考え方などにもよるため一概にはいえませんが、一般的に抜歯が不要といわれる症例には、以下の3つがあります。
- 歯並びに大きな乱れがない
- IPRで対応できる
- 歯列の幅を広げられる
順番に解説します。
歯並びに大きな乱れがない
歯並びに大きな乱れがない場合は、基本的には抜歯をせずに矯正できる可能性が高いです。たとえば、すきっ歯の場合はもともとすき間があるので、わざわざ抜歯をしてスペースを確保する必要がありません。
ただし、例外もあるため、患者さまご自身での判断が難しい場合もあります。まずは一度カウンセリングを受けて、歯科医師に抜歯の有無を判断してもらうとよいでしょう。
IPRで対応できる
IPRとは、歯の側面をヤスリで少しだけ削ってスペースを作る方法です。複数の歯を少しずつ削ることで、抜歯をした場合と同程度のスペースを確保できます。
削る量はごくわずかなので、痛みが生じることはほとんどなく、歯を削ることによって虫歯になるリスクが高まることもありません。また、IPRでは1本1本の歯の大きさを調整できるため、口元全体の審美性が向上する可能性もあります。
歯列の幅を広げられる
歯列の幅を広げることができれば、インビザライン矯正で抜歯が不要になる可能性があります。
インビザライン矯正では、歯に力を加えることで歯列を全体的に外側に広げられます。歯列の幅を広げることで歯と歯の間にすき間が生まれ、歯並びを整えるためのスペースの確保が可能になるのです。
しかし、極端に歯並びが悪い場合には、抜歯が必要になるでしょう。
どのタイミングで抜歯をする?
インビザライン矯正を始めるにあたり、抜歯が必要な場合は矯正治療が始まる前に抜歯をおこなうことが一般的です。場合によっては、矯正治療を開始してある程度歯が動いたタイミングで抜歯をすることもあるでしょう。
なお、親知らずの抜歯が必要な場合、総合病院や大学病院などの設備の整った病院で抜歯をおこなわなければならないケースもあります。歯科医師によく確認してから治療を受けるようにしましょう。
まとめ
本記事では、インビザライン矯正で抜歯が必要な症例や抜歯をするメリット、抜歯のタイミングについて解説しました。
インビザライン矯正では、歯を動かすスペースが足りない場合などに抜歯をすることがあります。抜歯をすることで、食事がしにくくなったり、痛みが出たりする可能性はありますが、歯を動かすスペースを確保できるため、歯並びをきれいに整えることができるでしょう。
インビザライン矯正では必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。歯を動かすスペースがすでにある場合や、ほかの処置によってスペースを確保できる場合には抜歯をする必要がないのです。
健康な歯を抜くことに抵抗がある方は、抜歯以外の選択肢を見つけるためにも、歯科医院で相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。